トランプ米政権の強引な外交姿勢が、国際社会に波紋を広げている。同盟国には関税措置などで圧力を強める一方、ウクライナに侵攻を続けるロシアには融和的な姿勢を取る。こうした対照的な対応により、各国は安全保障政策の見直しを迫られている。慶応大の細谷雄一教授(国際政治)は「このままでは急速な軍拡や核拡散が進む可能性が高い」と警鐘を鳴らす。 <主な内容> ・トランプ外交を巡る奇妙な逆転現象 ・ウクライナへの侮辱と欧州の不信感 ・「パワーポリティクス」時代の到来 ――トランプ政権の言動が国際社会にさまざまな影響を与えています。 ◆1期目の経験を経て、トランプ氏には「自分の力で外交を動かせる」という過信やおごりが生まれているように思える。ウクライナ問題でも、自ら和平交渉の前面に出て主導しようとしたことが、混乱を引き起こしている。 トランプ政権の外交の特徴として、価値観や規範を無視する姿勢が挙げられる。侵略
