◇発がん性の増加率わずか 流通する食品、心配なし 福島第1原発の事故は収束の見通しが立たず、環境中に放出される放射性物質への心配はしばらく続きそうだ。農作物への風評被害やミネラルウオーターの買いだめが問題となっているが、背景には放射性物質のリスクが十分理解されていないこともある。今知っておきたいことを専門家に聞いた。 放射線はたばこや紫外線と同様に遺伝子を傷つけ、発がんのリスクを高めるとされている。国際放射線防護委員会(ICRP)は自然界や医療行為によるもの以外の人工的な被ばく限度について、平常時は1ミリシーベルト、事故などの緊急時は20~100ミリシーベルト、復旧時は1~20ミリシーベルトとしている。 日本の法律では平常時の1ミリシーベルトしか定められていないが、広島・長崎の被爆者やチェルノブイリ原発事故の被災者への調査などから、専門家の多くは「100ミリシーベルト以下であれば、健康への