5月30日、カンプ・ノウ・スタジアム。スペイン国王杯決勝はFCバルセロナが3-1とアスレティック・ビルバオをリードしていた。そのまま推移すれば、華やかなバルサのセレモニーへ、という流れだった。 ところが、後半40分に"事件"は起きた。 左サイドでロングパスを収めたネイマールが、ビルバオのディフェンダーと1対1で対峙したとき、両足でボールを抱えて相手の頭越しにドリブルしていくプレーを見せた。これはLAMBRETTA(イタリア、ミラノで製造された人気スクーター)と呼ばれる一種のボールコントロールで、スクーターに乗ったように膝を折り曲げ、はねたような状態になるところに名前が由来している。 この技は失敗したが、ビルバオの選手たちが一斉に激昂した。ネイマールに激しく詰め寄り、その行為を非難。その表情は怒気を含んでいた。 「私がビルバオの選手だったら、同じようなリアクションを取っただろう。もしくは、も