「スポーツ界のリーダーになることはあきらめました」 2012年6月の日本選手権を最後に現役引退した為末大さん。元陸上競技400メートルハードル選手として活躍、同種目の日本記録保持者でもある。 引退後はテレビのコメンテーターを務めたり、会社を立ち上げたり、さまざま活動・事業を展開してきた。そして今、為末さんは、スポーツ界ではなく、社会のほうを向くと決めたという。 2020年に向けて、いったいどんなことを考えているのだろうか。個人のこと、社会のこと、東京オリンピック・パラリンピックのことについて聞いた。(文・佐藤慶一/写真・林直幸) 社会問題をスポーツで解決したい 陸上競技を引退した2012年のテーマは「生き残り」でした。アスリートの引退後、半年くらいは特需があるのですが、翌年に向けてだんだんと価値が減少していくからです。 ぼくは選手として絶頂期に引退したわけでもないので、世間からすれば「陸上