厚生労働省による「毎月勤労統計」の不正調査を検証した第三者委員会「特別監察委員会」(樋口美雄委員長)の中間報告書が、国会で批判を浴びています。どこが問題なのでしょうか。日本弁護士連合会が2010年に出した第三者委ガイドラインの作成に携わり、有志でつくる「第三者委員会報告書格付け委員会」の委員長も務める久保利英明弁護士にお話をうかがいました。 ――第三者委員会の特別監察委の中間報告書を読んだ印象を教えてください。 「内容以前に調査期間が約1週間と、あまりに短い。全29ページという分量も少なすぎる。日弁連がガイドラインを作ってから8年半経ちますが、全く参考にされていないと感じます」 「ガイドラインや格付け委の評価ポイントでは、第三者委のメンバーは独立性、中立性、専門性が重要としています。特別監察委の報告書を読んでも、そこがわからない。インターネットで名前を検索して調べれば優れたメンバーだとわか