因子分析と主成分分析 因子分析の概要は第8回で説明した。 類似した手法に「主成分分析」がある。 ここでは,両者の類似点と相違点をみてみたい。 主成分分析の目的 第8回で,因子分析をする目的は「共通因子を見つけること」であると説明した。 その一方で,主成分分析の目的は「情報を縮約すること」である。 第8回で示した因子分析のイメージは次のようなものであった。 主成分分析は,観測された変数が共有する情報(たとえば互いの相関係数)を,合成変数として集約する(従って矢印の向きが因子分析とは逆になる)。 第1主成分には観察された情報の共通点が集約される。 第2主成分は集約された残りの情報の中から共通する情報が集められる。 第3主成分以降も同様に,上位の主成分の残りの情報から共通する情報を集約する。 どんな時に使うか 主成分分析を用いるのは,主として「合成得点を算出したい」時である。 たとえば5教科のテ