ギリシャ政府は、昨年国内総生産(GDP)の12.7%相当額に達したと見られる財政赤字を、2012年には同3%相当に圧縮すると公約した。実現しそうかと問われれば、かなり難しいというのが答えになるだろう。 しかしギリシャは、国家財政の世界における炭鉱のカナリアに過ぎない。ユーロ圏ではギリシャのほかにも、数カ国が財政赤字を削減せよという圧力にさらされている。この圧力は経済の脆弱なユーロ圏加盟国、さらにはユーロ圏全体、そして世界経済にどんな影響を及ぼし得るのだろうか? 統計数値を何年も粉飾して仲間の信頼を裏切ったギリシャは今、総スカンの状況にある。しかし、たとえギリシャがその責めの大半を負うとしても、同国が取り組んでいる課題は非常に大きい。 特に重要なのは、例えば英国のように巨額の財政赤字を抱えるほかの国々と異なり、緊縮財政による悪影響を金融緩和や為替レートの切り下げで緩和するという手法をギリシャ