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ブックマーク / agora-web.jp (48)

  • 理解の遅い子はダイヤの原石かもしれない

    学生の頃、塾の講師や家庭教師のアルバイトをした際に、「理解能力が高いのに、学校の成績は良くない」という不思議な生徒が一定の割合で存在することに気がついた。 1.謎の成績低迷 一例として、私が家庭教師を務めたA君(当時中学2年生)のエピソードを紹介する。 家庭教師を引き受けた際、A君の通知表を見たところ、5段階評価で「2」が多く、総合すると「下の中」といった成績だった。簡単にテストをしてみたところ、中学1年生の初期で習う分野から理解が曖昧だった。例えば、数学では文字式を理解できていなかった。 当時、「A君の成績を上げるのは大変そうだな」と、悲観的な気持ちになったことを今でも鮮明に覚えている。 しかし、指導を始めて数週間が過ぎた頃、良い意味でA君に驚かされた。時間を掛けて教えてあげれば、実に良く理解してくれるのである。平均的な生徒と比べると理解するスピードはゆっくりだが、能力的に劣っているとい

    castle
    castle 2012/03/17
    「A君の通知表を見たところ、5段階評価で2が多く」「平均的な生徒と比べると理解するスピードはゆっくりだが、能力的に劣っているという感じではなく、本当に理解したと自分が納得できるまで考えたいタイプの生徒」
  • 日銀法に「雇用の最大化」を入れるべきか - 池田信夫

    みんなの党が次の国会に出すとしている日銀法改正案では、「雇用の最大化」を目的として入れることになっています。これは民主党のデフレ脱却議連の提案にも盛り込まれているので、実現する可能性もありますが、果たして中央銀行は雇用を最大化すべきなのでしょうか。あるいはできるのでしょうか。 彼らの論拠は「雇用はFRBの目的に入っているから日銀も入れるべきだ」というものです。たしかに連邦準備法では 最大の雇用 安定した物価 安定した長期金利 をあげています。このうち長期金利は物価と連動するので、実質的には物価と雇用の二つの目的をあげていることになります。しかし、このように雇用を目的に入れている中央銀行は他にない。それは中央銀行が雇用を最大化できる理論的根拠がないからです。これは経済学部の学生にとっては基的な知識ですが、政治家にとってはそうでもないようなので、復習しておきましょう。 いま失業率が自然失業率

    日銀法に「雇用の最大化」を入れるべきか - 池田信夫
    castle
    castle 2010/07/18
    「ITバブル崩壊後の失業率上昇に配慮してFRBが金利を必要以上に下げたため住宅バブルを引き起こした」「(マクロ経済学的には日銀法に「雇用の最大化」を入れると)日銀の政策にインフレ的バイアスをもたせる結果に」
  • 合理的個人という物語 - 『人間らしさとはなにか?』

    ★★★★★(評者)池田信夫 人間らしさとはなにか?―人間のユニークさを明かす科学の最前線 著者:マイケル・S. ガザニガ 販売元:インターシフト 発売日:2010-02 クチコミを見る 著者は脳神経科学の第一人者であり、特に分離脳の研究者として知られる。彼の行なった次の有名な実験は、脳科学の入門書によく出てくる: 分離脳の患者の視野をまん中で仕切って右と左が別々に見えるようにし、右目(左脳)にはニワトリの足先を見せ、左目(右脳)には雪景色を見せた。そのあと患者に見えたものと関係のある絵を選ぶようにいうと、右手(左脳)でニワトリ、左手(右脳)でシャベルを選んだ。そこで患者に「なぜニワトリを見てシャベルを選んだのか?」と質問すると、「ああ単純なことです。ニワトリ小屋を掃除するにはシャベルが必要だから」と答えた。(書p.415) この患者の言語中枢は左脳にあるので、右脳(左目)が雪景色を見たこ

    合理的個人という物語 - 『人間らしさとはなにか?』
    castle
    castle 2010/06/13
    「合理性とは進化から作り出された物語であり、辻褄が合うというだけなら宗教も科学も同じく合理的。近代社会では工学的に応用可能な実証科学の合理性が特権的な地位をもったが脳科学は素朴な合理主義を否定してる」
  • 外交問題の議論に求められる「大人の視点」 - 松本徹三

    「外交」は、それぞれの国の命運を賭けた「国同士の駆け引き」ですから、当然、最高レベルの「深い洞察力」と「冷静な判断力」が必要となります。感情的な対応は、この反対の極にあるものですから、最も忌むべきものですが、各国の政府は、自分達の政権の基盤である国民の「感情」というものを無視することが出来ません。 これまでの歴史を見る限りでは、「国民感情」というものは、多くの場合、「洞察力」はおろか「冷静な判断力」にも欠け、それ故に、常に事態を悪い方向に誘導する元凶となっています。太平洋戦争前夜の国民の熱狂と、それを煽ったジャーナリズムの無責任さは、不幸にしてこの典型例となってしまいました。 「日米関係は当に壊れるかも」と題した12月14日付の私のブログ記事には、相当の反響を頂きましたが、残念ながら、BLOGOSの方に頂いたコメントには、何故か「ネウヨ(ネット右翼)」風のものが多く、読んでいると少し気分

    外交問題の議論に求められる「大人の視点」 - 松本徹三
    castle
    castle 2010/04/26
    「(外交の)目的は常に「親交」であるべき」「但し、防衛戦略上の「仮想敵」扱いは全く別次元の話。防衛は「もしもの場合」に備えるものですから、どんなに親しい国でも図上作戦だけは行っておかなければならない」
  • 短期かつ少額の消費者金融ならいいんだけれども--池尾和人

    あるブログに私の日消費者金融市場に関する認識が「誤解」だと指摘する記事があることを、磯崎さんのTwitterでの書き込みで教えてもらった。私も学者の端くれだから、誤解だといわれると、当に誤りであれば認めて訂正するか、当は誤りでなければ反論する義務がある。もちろん、いい加減なコメントとかであれば無視するが、まあまあまともそうなブログの記事なので、対応することにしよう。もちろん、反論である。 この記事の趣旨は、略奪的な貸し付けに引っかかるような人たちだけで、「15兆円近くの借り入れが発生していた」はずはなく、多くの「きわめて合理的な借入行動」があったとみるべきだというものである。しかし、そこで紹介されているような「きわめて合理的な借入行動」による残高というのはどの程度のものになるのか? 例えば、給料日前に1週間、2万円を毎月借り入れるということをしても、 2万円×7日×12÷365日=約

    短期かつ少額の消費者金融ならいいんだけれども--池尾和人
    castle
    castle 2010/03/19
    「改正貸金業法は、短期かつ少額の利用ニーズに応える消費者金融の阻害になるものでは全くなく、健全な発展のための制度基盤を整備しようとするもの。この法によって抑止されるのは問題の多い、長期かつ多額の利用」
  • 「サイバーテロ問題」への回答 ―中川信博

    先般私のエントリー「国民目線の政府ではなかったのか」を松さんのエントリーサイバーテロ問題で取り上げて頂いたので、回答も含め稿をエントリーしたいと思います。私は安全保障に啓発された一般人であり、情報通信零細企業の学歴皆無の経営者の端くれとして、情報通信にかかわることを国家安全保障的観点から議論したいと常に考えているのであります。 松さんのエントリーサイバーテロの問題の記事中「日政府が韓国政府に一言文句をつけて然るべきではないのか」とありますが、コメントにも記入したように私の主張はテロ攻撃を目的としたコミュニティーに多くの登録者が集まっている時点で、攻撃を行った場合はそれを日政府当局はテロと認識する可能性も否定できない、程度のコメントはすべきではなかったか、そしてテロ攻撃が実際に行われたあとにこのような行為はサイバーテロであり韓国政府に再発の防止を希望するなどといったメッセージは韓国

    「サイバーテロ問題」への回答 ―中川信博
    castle
    castle 2010/03/17
    「我国はといえばアフリカなどの場合、その国の元の宗主国にお願いして助けてもらうしかない。アフリカのレアメタルはハイテク産業にとっては死活問題になるばかりか、経済戦略に必要な資源であるにもかかわらず」
  • インフレの二つのタイプ - 池田信夫

    磯崎さんからコメントをいただいたので、簡単に答えておきます。テクニカルな話なので、マクロ経済学に興味のない人は無視してください。 たぶん最大のポイントは 仮に「国債が大量に市場にバラまかれそうだ」ということなら、国債の市場での消化が困難になって金利があがるはずですが、日銀が国債引受けをするというのは国債が市場を通らないということです。市場の需給に影響がないとしたら、はたして国債は暴落する(金利が上昇する)んでしょうか? という点だと思います。これは他人の権威を借りるわけではないが、白川総裁が懸念している点です。たとえば毎日新聞はこう書いています: 白川方明総裁は2月18日の記者会見で「金融政策は財政ファイナンス(財政赤字の穴埋め)を目的とせず、そうした中央銀行の姿勢を政府が尊重する(ことが必要)」と、買い入れ拡大圧力をけん制した。「財政悪化のツケを日銀が引き受けた」との見方が市場で広がれば

    インフレの二つのタイプ - 池田信夫
    castle
    castle 2010/03/04
    「「財政悪化のツケを日銀が引き受けた」との見方が市場で広がれば長期金利は急騰しかねない(毎日新聞)」「マイルドインフレを起こすのは難しいが、ハイパーインフレを起こすのは簡単。途上国ではありふれた事件」
  • 自然科学モデルの限界 - 『行動経済学』

    ★★★★☆(評者)池田信夫 行動経済学―感情に揺れる経済心理 (中公新書) 著者:依田 高典 販売元:中央公論新社 発売日:2010-02-25 クチコミを見る このごろ行動経済学についてのがたくさん出るようになったが、ほとんどはカーネマン=トベルスキーなどの実験を日常生活に応用してアノマリー(特異性)の実例をあげるもので、いささか傷だ。書はこうしたおもしろとは違って、大学の講義録をもとにして行動経済学歴史を振り返り、理論的にまとめた入門書である。 意思決定理論の歴史は古く、パスカルやベルヌイにさかのぼる。こうした理論において最大の問題は、不確実な未来のもとでどう決断するかということだったが、フォン=ノイマン以降の期待効用理論は、これを数学的に操作可能な公理系に単純化してしまった。それによってゲーム理論などの体系的な理論ができたが、エルズバーグのパラドックスやアレのパラドックスな

    自然科学モデルの限界 - 『行動経済学』
    castle
    castle 2010/02/28
    「人間の意思決定が価値関数のような数値として表現される発想が、人間を快楽を最大化するロボットと考える功利主義の変種。人間を本質的に理解するには認識論レベルから見直す「パラダイム転換」が必要なのでは」
  • 「需給ギャップ35兆円」という迷信 - 池田信夫

    亀井静香氏からリフレ派まで、「景気対策」を求める人々がいつもいうのが「需給ギャップが35兆円もあるのだから、これを埋めるのが先だ」という話だが、これはマクロ経済学の概念を取り違えている。需給ギャップを解消することが唯一の目的なら、解決するのは簡単であり、質的な問題はそんなところにはない。 マクロ経済政策は古くからイデオロギー論争の場だったが、「ケインジアン対マネタリスト」といった論争は、学問的には80年代に終結しており、現在では新しいコンセンサスというべきものが成立している。その主要な結論は 経済変動を長期的な自然水準の変化と短期的な需給ギャップに分解して考える 長期的な自然水準を決めるのはリアルな変数であり、貨幣は自然水準からの乖離を埋めるだけである 需給ギャップの主要な原因はリアルな需要ショックであり、金融政策の主要な役割は物価上昇率のコントロールである Mankiwの教科書を引用す

    「需給ギャップ35兆円」という迷信 - 池田信夫
    castle
    castle 2010/02/24
    「経済変動を長期的な「自然水準の変化」と短期的な「需給ギャップ」に分解して考える」「需給ギャップ=貨幣的摩擦+需要ショック」「問題は、バラマキが資源配分のゆがみをまねき、かえって有害になるという」
  • 勝間和代氏が参考にすべき北朝鮮のデノミ ―中川信博

    北朝鮮が昨年デノミと称する通貨政策を実施したが、これが再び北朝鮮国民を飢餓の危機に陥れている。できればこの件に対する専門家の解説があれば、現在一部の経済専門家が民主党政権に提案している金融・財政政策が危険であることを我国国民に伝える好機になるんではないだろうか。そこで素人の私は問題定義だけをしたい。 紙幣を刷って配った北朝鮮 長年、朝鮮半島の問題にかかわってきた救う会全国協議会の西岡会長代行が今回のデノミのような通貨政策の解説をしているが、 行った政策は ・10万ウオンまでを1/100で交換する ・期間は11月30日から12月6日の6日間であった ・さらに500ウオンを庶民に支給した ・軍人や党幹部に旧通貨通りの給与を支給した(要するに100倍) であろうか。そして現在起きていることは ・30倍以上のハイパーインフレ(1対1、100倍になろうとしている) ・市場から物資がなくなっている ・

    勝間和代氏が参考にすべき北朝鮮のデノミ ―中川信博
    castle
    castle 2010/02/24
    「軍人や党幹部に旧通貨通りの給与を支給(要するに100倍)」「起きていること:30倍以上のハイパーインフレ(1対1、100倍に)・市場から物資がなくなる・餓死者がでている・貨幣に対する信頼の低下と市場の破壊」
  • 金融危機が示した「無知の知」の重要性 - 『フリーフォール』

    ★★★☆☆(評者)池田信夫 フリーフォール グローバル経済はどこまで落ちるのか 著者:ジョセフ・E・スティグリッツ 販売元:徳間書店 発売日:2010-02-19 クチコミを見る 著者はノーベル賞を受賞した大学者だが、最近はコメンテーターとしても活躍し、毎年のように時事的なを出している。最初のはまだ新鮮味があったが、その後は繰り返しが多く、書もその例にもれない。2008年の金融危機についての分析もありきたりで、その種のを読んだ読者が書を読む意味はあまりない。「保守派の強欲」や「ブッシュ政権の略奪」を批判する党派的なバイアスが強くてうんざりする。 著者の立場は、市場は失敗するので政府が介入しろという「ケインズ派」だが、市場の失敗があるのと同様に政府の失敗もある。つねに後者のほうが大きいと主張する保守派の主張が今回の危機で反証されたことは確かだが、それは自動的に前者のほうが大きいこと

    castle
    castle 2010/02/22
    「情報の非対称性だけでなくケインズの強調した不確実性を含む「情報の不完全性」を経済学に全面的に取り入れ、人間の無知を前提にした制度設計を考えるべきだ」「新しい経済理論の枠組だけでも示してほしかった」
  • グーグルの中国撤退はアメリカの対中政策に影響を与えたのか ―中川信博

    年の1月グーグル中国のビジネスから撤退を表明したことに対する評価が、日やヨーロッパ、アメリカのみならず中国国内のハッカーたちからも支持されていることは驚きである。この決断にはグーグル創始者のひとりで、幼児期をロシアで過ごしたことのあるセルゲイ・ブリン氏の意向が強く反映したと報道されている。 リアリズムとリベラリズム 国際関係理論には大きく2つの思想がある。第一次世界大戦終了後にヨーロッパのエシュタブリッシュメント達の間で「どうしたら悲惨な戦争を防げるのか」と考える人と「どうしてこのような戦争が起こるのか」考える人が現れた。大まかに前者をリベラリズムと称し、後者をリアリズムと称している。 リベラリストたちは戦争の原因を多くは貧困と無秩序にあると考え、経済的に相互依存を高め相互が豊かになり、世界政府を樹立して秩序を回復すれば戦争は起こらないと考えた。これが国際連盟や国際連合の基構想であ

    グーグルの中国撤退はアメリカの対中政策に影響を与えたのか ―中川信博
    castle
    castle 2010/02/19
    リベラリズムとリアリズム「googleの撤退は彼等ハッカー達の理想が中国という巨大な幻想に飲み込まれ深く傷ついた結果」「中国に対する甘いリベラリストは眠りから覚め、リアリストとして現実に目覚めたのであろう」
  • 日本は情報戦争を生き残れるのか ―中川信博

    2001年、EU議会の委員会にある調査報告書が提出された。それはいわゆる「エシュロン」について調査したものである。エシュロンとはUKUSA協定に基ずくアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの英語圏諸国による情報共有とそのシステム全体を指す言葉である。アメリカ政府はそのその存在を公式に認めてはいないのでこのエントリーは憶測にということになるが、提出された報告書ではアメリカNSAがエシュロンを使用して民間企業の通信を盗聴して米国企業にその情報を提供していると断罪している。 シギント先進国のイギリス 世界各地に植民地を保有していたイギリスは安全保障上の必要から通信インフラの整備を早くからすすめ、19世紀末には世界の電信電話回線の3分の1を保有するに至る。そしてナポレオン時代のフランスで、郵便制度が確立したと同時にその検閲がはじまったのと同様に、イギリス政府は電信電話通信を傍

    日本は情報戦争を生き残れるのか ―中川信博
    castle
    castle 2010/02/19
    「エシュロンとはUKUSA協定に基ずく~情報共有とそのシステム全体。米国政府はそのその存在を公式に認めてはいない」「NSAがエシュロンを使用して民間企業の通信を盗聴して米国企業にその情報を提供していると断罪」
  • 電子書籍の最終勝利者 - 小飼弾

    オープンソース・プログラマー 昨年の Amazon Kindle 2 のブレイク、そして今年1月の Apple iPad の発表により、いよいよ現実味を帯びて来た電子書籍。最終的に勝利を収めるのは Amazon? Apple? それとも LIBRIe を出していた Sony の巻き返しがあるか? それとも Microsoft が XBox ならぬ XBook を出すか… 一番重要な「プレイヤー」を忘れてませんか? 読者という、最大最重要のステイクホルダーを。 すでに書籍は電子化されている 現時点において、日で日語の電子書籍を買う方法はほとんどありません。Kindleは日でも購入可能ですがKindleで購入できるのは米国の英語書籍のみ。SonyのLIBRIeも同様です。わずかに iTunes Store でのみ、iPhoneアプリとしていくつかのタイトルが購入できるのみで(拙著「弾言」

    電子書籍の最終勝利者 - 小飼弾
    castle
    castle 2010/02/12
    「(闇市場は)著作権法違反ですが、ファイルが外国にあってほとんど取り締まられていない~彼ら(読者)に合法的にこれらの作品を入手する手段が果たしてあるのか」「市場がなければ、闇市場が自然発生するだけ」
  • 表面化する技術と社会の対立 著作権法巡る混迷の原因はどこに

    ITジャーナリスト 津田大介 今年1月1日からネット上で違法に配信されている音楽・動画を違法と知りつつダウンロードする行為を違法とする、いわゆる「ダウンロード違法化」の規定が盛り込まれたように、09年はデジタル技術・インターネットにまつわる著作権問題を考える上で大きな転換点となる年だった。 そんな中具体的な現象面として起きていることは、コンテンツ産業の代弁者たる権利者と、コンテンツを利用するメーカーやIT事業者、コンテンツを消費するユーザーという3極の対立激化だ。ダウンロード違法化は、コンテンツ産業における権利者と消費者との争いだったが、09年秋にはそれに加えて権利者と機器メーカーの争いも勃発した。09年2月に東芝が発売したデジタル専用テレビ録画機の私的録画補償金の支払いをめぐって補償金を徴収する私的録画補償金管理協会(SARVH)が補償金の支払いを行っていない東芝に対して補償金相当額とし

    表面化する技術と社会の対立 著作権法巡る混迷の原因はどこに
    castle
    castle 2010/01/28
    「音楽・動画を違法と知りつつダウンロードする行為を違法とする」「新しい技術やそれによって生まれた消費者ニーズを法や制度で押さえ込もうと思っても限界がある」「「変形的著作物利用」といった要素は含まれず」
  • 団塊の世代は逃げ切れるか - 池田信夫

    きのう週刊東洋経済の企画でホリエモンと対談したとき、彼が「団塊の世代は自分が死ぬまで国債バブルはもつと思っているんだろうけど、みんな長生きするからそれは錯覚だ」といっていた。団塊の世代(62歳前後)の平均余命はあと23年(男性20年、女性26年)だが、彼らは高い年金と手厚い老人福祉の恩恵を受けて逃げ切れるだろうか? IMFの予測によれば、このままいくと日の政府債務は2014年にはGDPの234%になり、個人金融資産をほとんどいつぶす。「国債は1000兆円まで大丈夫」といっている榊原英資氏でさえ、国内で消化できなくなると危ないといっているので、実はタイムリミットはそう遠くない。破綻を防ぐにはプライマリーバランスの赤字を少なくとも半減させる必要があるが、民主党はマニフェストで「民主党政権の間は消費税を上げない」と約束している。 つまり民主党政権が続くと、ほとんど増税しないまま2014年を迎

    団塊の世代は逃げ切れるか - 池田信夫
    castle
    castle 2010/01/21
    「60代の生涯の受益-負担は5700万円の受益超過だが、20代は1300万円の負担超過(経済財政白書)。この大きな不公平を殆んどの人が実感していない。負担が増税という形で目に見えないでからだ。これを財政錯覚とよぶ」
  • 民主党は小泉改革を継承せよ - 池田信夫

    政府が成長戦略策定会議を年内に開き、「過去の失敗に学ぶ」ために竹中平蔵氏からヒアリングするという。ずいぶん失礼な話である。日経済を建て直したのが誰だったのか、株価を見れば明らかだろう。 竹中氏が小泉政権の経済財政・金融担当相に就任した2002年は、日経済のどん底だった。信用不安が続き、不良債権は底なしで、日経平均株価は2003年の3月にバブル後最安値の7054円をつけた。しかし株価はその後、急速に回復し、小泉氏が退陣した2006年までに2.5倍になったのである。世界の投資家が「日は改革によって成長力を回復する」とみたからだ。ところが、その後の自民党政権で改革が後退すると、株価も成長率も低下し、民主党政権になってさらに下がった。失敗したのは民主党である。 民主党は、総選挙で「小泉改革で格差が広がった」と宣伝し、郵政民営化反対や派遣労働の規制強化など、「反小泉」の政策を掲げた。それは選挙

    民主党は小泉改革を継承せよ - 池田信夫
    castle
    castle 2009/12/16
    「2002年は日本経済のどん底だった。信用不安が続き、不良債権は底なしで、日経平均株価は2003年の3月にバブル後最安値の7054円。しかし株価はその後、急速に回復し、小泉氏が退陣した2006年までに2.5倍になった」
  • 「吉田ドクトリン」の呪縛 - 池田信夫

    沖縄の基地問題をめぐる鳩山内閣の迷走をみていると、矛盾だらけの日の国防政策の実態をあらためて見せつけられ、うんざりします。この背景には、鳩山氏の祖父もからんだ複雑な戦後史があります。 戦後、最初の総選挙で自由党が第一党になり、その党首だった鳩山一郎が首相になることは確実と思われていましたが、GHQは鳩山を(些細な理由で)公職から追放し、吉田茂が首相になりました。このとき「右派」の鳩山が首相になっていれば、平和憲法も安保条約もなかったかもしれないが、戦前から親米派だった吉田は、GHQの意向にそって軍を解体し、軍備を放棄する憲法をつくりました。 ここまではよかったのですが、朝鮮戦争以後、冷戦が格化すると、アメリカの対日政策は180度変わり、日に再軍備を要求してきました。しかし吉田は憲法を盾にとって再軍備を拒否し、その妥協の結果としてできたのが安保条約でした。アメリカは日を冷戦の橋頭堡と

    「吉田ドクトリン」の呪縛 - 池田信夫
    castle
    castle 2009/12/15
    「吉田ドクトリンは日本が軍と完全に手を切るための「冷却期間」を置く政策でもあった。戦後しばらくは軍関係者の力は強く、服部は旧軍復活案を書き、吉田を暗殺して鳩山を首相にするクーデタの計画まで立てました」
  • 生物は環境を改造して生き延びる - 『強い者は生き残れない』

    ★★★☆☆ (評者)池田信夫 新潮選書強い者は生き残れない環境から考える新しい進化論 著者:吉村 仁 販売元:新潮社 発売日:2009-11-25 クチコミを見る 進化論というと、一般にはドーキンスの『利己的な遺伝子』ぐらいまでしか知られていないだろうが、最近の進化論はゲーム理論などを使って複雑になり、経済学でも進化論を取り入れている。たとえば母親が自分を犠牲にして子供を守るような利他的な行動は、ドーキンスの紹介した血縁選択理論では遺伝子プールを最大化する利己的な行動とされるが、それでは説明できない現象も多い。 最近では、個体レベルだけではなく、個体群のレベルで淘汰が起こるという集団レベル選択という理論が有力になっている。集団と集団の競争では、エゴイストによる内部抗争の多い個体群は敗れ、利他的な個体の多い個体群が生き残るので、利他的な行動は集団を守ることによって遺伝子プールを守っているので

    生物は環境を改造して生き延びる - 『強い者は生き残れない』
    castle
    castle 2009/12/07
    「集団と集団の競争では、エゴイストによる内部抗争の多い個体群は敗れ、利他的な個体の多い個体群が生き残る」「複雑な進化の過程で生き残るのは「強い者」とは限らない」「環境の改変によって生き残る戦略もある」
  • 株価が予言する民主党政権の未来

    某米系投資銀行勤務/藤沢数希 2009年8月30日衆院選、自民党歴史的な惨敗により戦後初の格的な政権交代が起こった。鳩山由紀夫率いる民主党政権が生まれたのだ。「アメリカ型の『市場原理主義』は崩壊した」と世界同時金融危機を総括した鳩山首相は、経済成長を最重視した小泉・竹中の構造改革でボロボロになった日経済を立て直すため、「友愛」により新しい経済システムの構築を目指すと宣言した。競争より平等、成長より分配を重視し、経済合理性にこだわらず社会に友愛精神を醸成し当に豊かな日を創っていくことを目指す民主党政権がここに誕生したのである。 政権発足後まだ3ヶ月であるが鳩山由紀夫率いる民主党政権は矢継ぎ早にさまざまな政策を実施している。 郵政再国有化。政権の重要ポストへの官僚登用。社内失業者への補助金延長による失業率を抑える労働政策。事業仕分けによる次世代スーパーコンピュータ開発プロジェクトの廃

    株価が予言する民主党政権の未来
    castle
    castle 2009/12/06
    「直接的には金融危機による損失がほとんどなかったはずの日本がなぜこれほど低迷するのだろうか」「筆者は日本の潜在成長率が低下したためだと考えている。潜在成長率とはGDPが毎年どの程度成長するかを表す指標」