兵庫県明石市は15日、児童相談所が2018年に虐待を疑い一時保護した当時生後2カ月の乳児が、両親と1年3カ月間引き離されて暮らす事案があったと発表した。同市の泉房穂市長は虐待はなかったと認めた上で「家族で過ごす時間を奪ってしまい、申し訳なかった」と謝罪。市は11月、当時の対応や改善策を検証する第三者委員会を設置する。 市などによると、18年8月、明石市在住の夫婦=いずれも当時40代=の次男が右腕を骨折。病院から通報を受けた兵庫県中央こども家庭センター(児童相談所)が親による虐待を疑い、次男を一時保護した。両親は「虐待はしていない」と説明したが、聞き入れられなかったという。 児相側は同年10月、医師の「骨折は虐待によるもの」という診断結果などを理由に、児童福祉法に基づいて次男の施設入所を求める審判を神戸家裁明石支部に申し立てた。19年8月、同支部は「虐待とは認められない」として申し立てを却下