連続テレビ小説「おちょやん」は先週、親と子がテーマだった。子にとって親とは、親にとって子とは。 さて、いま法律上の親子をめぐる議論が始まっている。 後を絶たない親による体罰、虐待、離婚後の子をめぐる親権争い、養育費の不払い、母子家庭にみられる子どもの貧困、無戸籍の子…。 社会が向き合い解決すべき問題だが、壁にぶつかることがある。明治期から続く民法の家族規定が、現代に合っていないからだ。 法律の不備が、子や親の幸福への道を阻んでいないか。 ようやく、動きが出てきた。上川陽子法相は今月10日、離婚後の「共同親権」や養育費不払い問題を視野に、家族法制の見直しを法制審議会に諮問した。 その前日、別の法制審議会の部会が、子の父を決める民法の「嫡出推定」を見直し、無戸籍解消の道を開く中間試案をまとめた。試案では、しつけと称する虐待にも目を向け、民法が認める親の「懲戒権」の是非や、体罰禁止の明文化も検討