去年の夏に大台ヶ原(おおだいがはら)というところに行ってきました。重く立ちこめる霧、白骨のような立ち枯れのトウヒ、虚無的な鹿のまなざし…いままでに見た景色の中でもっとも冥府に近そうな神秘的な場所です。とはいえ冥府について本気出して考えたことはあまりないので、「冥府はぜんぜんこんなじゃないです」と言われたら困るのですが…。 大台ヶ原は三重県と奈良県の県境に位置する高原です。標高1694.9mの日出ヶ岳をはじめとする同じような高さの峰が集まって、切り立った崖に囲まれた平原になっています。大和上市駅から奈良交通バス(上下各一本)で山道をのぼって二時間弱で大台ヶ原駐車場に着くと、下界とは段違いの冷気にさらされ「えらいところに来てしまった」という気分に…。 日出ヶ岳 今回歩くのは、見どころが多く初心者向けの東大台コース*1。全長約8km、所要時間は4時間。平地ならなんということはありませんが標高差が
若気の至りってやつは、実に途方もなくおそろしいものである。わたしはなぜ、あのように恥知らずな言動ができたのか。同じ自分のふるまいだとはおもいたくない。かつて自分のさらした、さまざまな醜態。自分があのとき、あのタイミングでいったこと、やったこと。それらをおもいだしただけで、「う、うわーっ」と叫びながら、誰もいない山奥に逃げて、そのまま隠遁生活をはじめたい衝動にかられる。 数多くの人びとがそうであるように、わたしの記憶内部にもまた、過去におけるいくつかの醜態がしっかりと残っており、なかでも+Aランクに恥ずかしいのは、二十五歳のころのあれと、二十七歳のころのあれで、そうした過去をおもいだしただけで、わたしは本格的に具合がわるくなってくる。これらは、あまりにも破壊力のありすぎる記憶なので、脳もかなりしっかりと封印してくれているのだが、ほんのちょっとしたきっかけ、たとえば人間関係の悪化、仕事の失敗と
乳がんの手術を平成17年に受けた女優の樹木希林さん(66)。「納得のいく死」を意識したとき、脳裏に浮かんだのは、ロック歌手の内田裕也さんのこと。長年、別居していた夫と向き合おう。そう決意して対面したと語る樹木さんの目には、力強いエネルギーが宿っていました。(竹中文) ・写真:夫の内田裕也さんと昨年7月、京都旅行を楽しんだ樹木希林さん 乳がんの手術をする直前に内田裕也さんと向き合おうと思ったんです。 裕也さんは昭和56年に、私に無断で区役所に離婚届を出しました。私が離婚無効の訴訟を起こし、裁判で争い、裁判官にまで「あんなに嫌がっているんだから、別れてあげなさいよ」なんて言われたことがあったんです(笑)。裁判で離婚は無効になり、籍は戻ったけど、裕也さんと連絡を取るのは1年に1回だけ。このまま裕也さんを恨んで死ぬのは悪いなと思って、ほったらかしにしていたことを謝ろうと思ったの。 でも、男
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