高血圧を指摘されている方には管理栄養士との食事相談を勧めています。血圧を下げるためには、食事中の塩分を制限すると効果的なことが多いためです。今回は食塩と高血圧に関していろいろと考えてみたいと思います。 食塩の過剰摂取が高血圧につながることに気付き、その医学論文が初めて発表されたのは1904年のことでした。食塩を制限すると血圧が下がったという研究内容でした。その後もいろいろな疫学研究が積み重ねられ、1988年にはINTERSALT研究という発表がありました。この研究には世界の32カ国52施設が参加し、10079人のデータが集められています。患者さんに24時間の尿をためるよう指示してナトリウム排泄量を測定し、その値からナトリウム摂取量を推測しています。また同時に血圧も測定し、下図のような結果が得られました。ナトリウム摂取量と血圧の間には、弱いながらも正の相関関係があることがわかりました。(摂取