「非常通報ボタンが押されたため停止します」というアナウンスを電車で聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。 その電車内にある非常ボタンを、先日、東京メトロ副都心線に乗車中に押す機会があった。 車両内の男性が倒れこんでしまい、そのまま動かなくなってしまったそうで、たまたま一番ボタンの近くに居た私が押す役目をすることになったのだ。 初めての体験ににわかに緊張しながら、意外と硬いボタンの感触に、力をいれて押してみた所、すぐにサイレンが作動するでも、電車が止まるでも、大きな音でアナウンスが流れるというわけでもなかった。1.5秒程度の沈黙があり、付属のスピーカーから車掌の声が。 ――「いまボタン押されました?」 「は、はい」と答える私。 ――「どうしました?」と急いだ口調で乗務員が問う。 「男性が倒れてしまったようで……」と返答した。 ――「わかりました。次の駅で対応します」と簡潔な返答がきた