タグ

ブックマーク / www.u-tokyo.ac.jp (7)

  • 6次元の揺らぎがもたらす準結晶の奇妙な物性 | 東京大学

    東京大学 日原子力研究開発機構 発表のポイント 6次元結晶の3次元空間の断面とみなせる「準結晶」の比熱が異常に大きくなる現象を、実験と機械学習シミュレーションで追求し、高次元での原子のゆらぎが原因であると突き止めた。 準結晶のシミュレーションには膨大な計算が必要で、これまでは簡単なモデルでしか行われてこなかったが、今回、高精度かつ長時間の機械学習シミュレーションを行い、実験と比較することが可能になった。 この結果は、複雑な物質において実験と比較可能な機械学習シミュレーション手法を確立できた事を意味しており、準結晶を用いた新たな熱電材料など様々な材料にこの手法を適用することで、材料開発が加速すると期待される。 高次元の揺らぎが3次元空間に影響を与える様子の概念図 Credit: UTokyo ITC/Shinichiro Kinoshita 概要 東京大学情報基盤センターの永井佑紀准教授、

    6次元の揺らぎがもたらす準結晶の奇妙な物性 | 東京大学
  • 溶姫御殿のトイレから発見された高濃度の鉛の正体とは?|堀内秀樹 | 東京大学

    1983年に立ち上がった埋蔵文化財調査室で、約40年にわたって学内の発掘調査を担当してきました。江戸時代に加賀藩の江戸屋敷が置かれていた郷キャンパス。建物の改修や建設の度に学内各所で行われてきた発掘調査によって、その広壮な加賀藩邸の姿が明らかになってきました。 2013~14年に総合図書館前広場(アカデミックコモンズ地点)の工事に伴い行った発掘調査では、井戸、排水溝、便所の遺構が発掘されました。1827年に第11代将軍徳川家斉の二十一女・溶姫が、前田家13代斉泰に嫁いだ時に建てられた溶姫御殿の最奥部にあたる場所です。 御殿の正門である赤門から奥に広がる約5,200坪の広大な御殿でした。特に長局ながつぼねは、大奥と同じレイアウトで、その「三ノ側長局」、「三ノ側続長局」という女中が居住していたエリアから5基の便所が出土しました。土を掘り、その中に木桶を埋める構造でした。便槽は2基が対になって

    溶姫御殿のトイレから発見された高濃度の鉛の正体とは?|堀内秀樹 | 東京大学
  • ステレオタイプに陥らないために──「男性脳・女性脳」の言説 | 東京大学

    男性・女性の違いを説明する際に「男性脳・女性脳」という表現が使われることがあります。「男性脳・女性脳」は科学的な根拠に基づく概念なのか、単純化された言説はなぜ問題なのか、認知神経科学者の四裕子教授(総合文化研究科)に聞きました。 多次元的なヒトの脳 ── 「男性脳・女性脳」という概念に科学的根拠はあるのでしょうか? 「男性脳・女性脳」の概念は、性別による脳の違いについて言及したものですが、そもそも「性」とは非常に多元的な概念です。社会的・文化的に定義される「性」(ジェンダー)が多様であるように、生物学的に定義される「性」(セックス)も複雑です。生物学的に定義される「性」には、遺伝的な染色体で決まる「性」、精巣や卵巣で決まるホルモンの分泌と関係する「性」、セクシュアル・フェノタイプと呼ばれる表現型の「性」などがあり、人によってはそれらが必ずしも全て一致するとは限りません。一方で、男性・女性

    ステレオタイプに陥らないために──「男性脳・女性脳」の言説 | 東京大学
  • ガザ危機と中東の激動 | 東京大学

    ── 2020年以降は、どのような動きがあったのでしょうか? 2020年にアラブ首長国連邦(UAE)とイスラエルが国交を正常化しました。これ以後、湾岸諸国やアラブ諸国の間でイスラエルとの関係を見直し、正常化に向かう動きが進みました。これをユダヤ教、キリスト教、イスラーム教に共通する預言者アブラハムにちなんでアブラハム合意と呼びます。アメリカバイデン政権は、サウジアラビアとイスラエルの国交正常化に向けた交渉を仲介し、サウジアラビアがイスラエルとの国交を正常化すれば、アメリカはサウジアラビアの安全を保障すると確約していました。 サウジアラビアのサルマーン国王周辺は、1967年の戦争以前の国境での二国家共存によってパレスチナ問題を解決し、アラブ諸国がイスラエルを承認して国交正常化する、という2002年アラブ平和イニシアチブの原則に変わりがないことを一貫して明言しています。しかし、ムハンマド皇太

    ガザ危機と中東の激動 | 東京大学
  • 多言語話者になるための脳科学的条件――新たな言語の文法習得を司る脳部位を特定―― | 東京大学

    2024年1月19日 国立大学法人 東京大学 マサチューセッツ工科大学 一般財団法人 言語交流研究所 発表のポイント 英語スペイン語等の習得経験のある日語母語話者が、新たにカザフ語の文に音声で触れた時、その文法習得を司る脳部位を特定しました。 この新たな言語習得を司る脳部位は、これまで母語や第2言語の文法処理に関わる「文法中枢」として研究チームが特定してきた「左下前頭回の背側部」と完全に一致しました。 多言語の習得効果が累積することで、より深い獲得を可能にするという仮説「言語獲得の累積増進モデル」が、脳科学によって明確に裏付けられました。 発表概要 東京大学大学院総合文化研究科の酒井邦嘉教授と梅島奎立助教は、マサチューセッツ工科大学言語哲学科のスザンヌ・フリン教授との共同研究において、新たな言語に触れた時に「誰が、何時、何を」習得したかを司る脳部位を初めて特定しました。この研究は、一般

    多言語話者になるための脳科学的条件――新たな言語の文法習得を司る脳部位を特定―― | 東京大学
  • ロシア・ウクライナ戦争とナショナリズム | 東京大学

    ロシアのプーチン政権をロシアウクライナ戦争へ駆り立てたナショナリズムの思想はどのようなものなのでしょうか。長引くロシアウクライナ戦争の思想的背景について、近代ロシア文学・思想を専門とする、総合文化研究科の乗松亨平教授に聞きました。 イリヤ・レーピン〈トルコのスルタンに手紙を書くザポリッジャ・コサック〉(1880-91) ©Ilya Repin プーチン政権の帝国的ナショナリズムとロシア民族主義 ―― 今回の戦争をどのようにご覧になっていますか? 従来、プーチン大統領は現実判断に基づいてプラグマティックな行動をとる冷静な政治家であると一般的に評価されていましたが、2014年のウクライナ危機以降、今回の戦争に至るまでを見ると、その評価を変えざるをえません。プーチンのこうした変化の一因として、ロシア・ナショナリズムの思想が注目されています。 プーチンは、9月30日にウクライナ4州の併合を宣言

    ロシア・ウクライナ戦争とナショナリズム | 東京大学
  • ロシアのウクライナ侵略と国際秩序 ―― 分離紛争と軍事同盟 | 東京大学

    ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続き、ドンバス地方では激しい戦闘が展開されています。長年、現地に入ってウクライナ政治を追ってきた法学政治学研究科の松里公孝教授は、2014年と2017年にドンバス地方を訪れました。ロシアを後ろ盾とする分離政体(ドネツクとルガンスクの人民共和国)とウクライナ軍との攻防が激化していた2014年の夏に訪問した時は、宿泊していたホテルのすぐ近くに着弾したこともあったそうです。今回の戦争の直前、「ロシアがドンバスの2共和国を承認することはあるかもしれないと思っていたが、ウクライナ全土で戦争を仕掛けるとは予想外だった」と先生は話します。ロシア帝国史や旧社会主義圏の政治を研究してきた松里先生に、ロシアの軍事侵攻の背景にある領土問題やNATO東方拡大などについて話を聞きました。 © harvepino / Adobe stock 袋小路に陥ったドンバス問題 ―― ウクラ

    ロシアのウクライナ侵略と国際秩序 ―― 分離紛争と軍事同盟 | 東京大学
  • 1