■ 不正指令電磁的記録罪(コンピュータウイルス罪)の件、何を達成できたか(前編) 目次 解釈にブレが生じている条文 立法趣旨の理解についてのブレ バグ以外で問題となるケース 正当なプログラムが他者により悪用されるケース バグの件はどうなったか 不真正不作為犯は成立するのか 結局のところ懸念は払拭されたのか はじめに 法務省から「いわゆるコンピュータ・ウイルスに関する罪について」という解説が出た。その趣旨は、冒頭に書かれているように、参議院法務委員会の付帯決議に対応するためのものとされている。 いわゆるコンピュータ・ウイルスに関する罪について, 法務省, 2011年7月13日 「情報処理の高度過当に対処するための刑事法の一部を改正する法律」には,参議院法務委員会において付帯決議が付されており,同法の施行に当たり政府が特段の配慮をすべき事項として,不正指令電磁的記録に関する罪の構成要件の意義を