「ブラック企業」と批判されるワタミの前会長、渡辺美樹氏が自民党公認候補として参議院選挙(比例区)に出馬することに疑問の声が上がっている。従業員に対する過酷な経営姿勢だけではなく、「居酒屋和民」の従業員が過労自殺したり、グループ企業「ワタミの介護」の施設で入所者が死亡したりする事故が発生しているからだ。しかも、公示前に株主らに送った手紙が公職選挙法違反の可能性があると指摘されている。 『集中』5月号「企業コンフィデンシャル」でワタミの介護を取り上げたところ、大きな反響を呼んだ。死亡事故の中でも東京・板橋のレストヴィラ赤塚の事故は、警視庁高島平署が業務上過失致死容疑で捜査している。渡辺氏は6月27日に会社の役職を全て辞任したが、事件化すれば、道義的な責任は免れまい。しかも遺族の取材を通し、医療機関も巻き込んだ組織的な隠蔽の疑いも浮き彫りになった。 事故が起きたのは昨年2月16日。入所者の大場ス