閉店したコーナーポケットの店内と「パラゴン」(奥)。壁は出演したミュージシャンのサインで埋まる=西宮市甲風園1(撮影・立川洋一郎) 西宮の老舗ジャズ喫茶「コーナーポケット」が今月3日、37年の歴史に幕を下ろした。スピーカーの名機「パラゴン」から鳴るモダンジャズの音色は多くのファンやミュージシャンをとりこにしてきた。7~9日は店内でフリーマーケットを開き、レコードや食器などを“形見分け”する。夫の急逝後、店を守ってきた鈴木優子さんは「店がずっと心に残ってくれればうれしい」と話している。(田中真治) 阪急西宮北口駅前のビルにある店は、西宮出身の鈴木喜一さんが1975年に「DUO」の名でオープン。後に、喜一さんの愛聴するカウント・ベイシー楽団の名曲から採った店名に変えた。 内装や調度品には、手先の器用な喜一さんが腕を振るった。音にも並々ならぬこだわりを持ち、家具のように大きなJBL社(米国)の高