村上 衛『海の近代中国──福建人の活動とイギリス・清朝』,名古屋大学出版会,2013年1月刊,定価8,820円,688頁,ISBN:978-4-8158-0719-1 貿易、海賊・海難、移民など、清末中国の 「海の歴史」 に注目し、福建人の活動とイギリスの役割を焦点に、漢文・英文史料を博捜することで、アヘン戦争の再定義を含め、中国を新たな時代へと突き動かした力を多角的に明らかにする。海と陸、近世と近代を接続し、歴史像を刷新した労作。 目次 緒 論 1 本書の課題 2 本書の対象・構成・史料 3 閩南と廈門 —— 地域と歴史 第Ⅰ部 清朝の沿海秩序の崩壊 —— 開港前 第1章 閩粤沿海民の活動と清朝 —— 19世紀前半のアヘン貿易活動を中心に はじめに 1 清朝の沿海支配の動搖 2 アヘン貿易の拡大と閩粤沿海民 3 清朝の対応 おわりに 補 論 零丁洋と広州のあいだ —— 1830年代カント