穆時英、張資平、劉吶鴎、戴望舒、郭建英…。 1920~30年代のモダニズム作家が紡いだ「小さな物語」から、新しい文学の可能性を探る 新しい表現の形を模索した作家たちは、上海にどんな〈リアリティ〉を見たのか、どんな世界観・歴史観を抱いていたのか。 小説、詩、エッセイや漫画の表現を読み解き、また出版事情とその受容を考察することで、既存の中国近代文学史をラディカルに組み替える。 プロローグ 序 章 中国モダニズム文学研究の可能性 第一章 張資平と憧れの近代―『資平小説集』と『資平自選集』 第二章 劉吶鴎の出版事業―第一線書店から水沫書店までの歩み 第三章 戴望舒と詩のイリュージョン―『私の記憶』から『望舒草』へ 第四章 穆時英にみる小説の可能性―『南北極』、『公墓』、『プラチナの女体模型』を中心に 第五章 郭建英と文学のファッション化―一九三四年の『婦人画報』 終 章 中国モダニズム文学の変容―