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2013年3月27日のブックマーク (3件)

  • AUTOSARの仮想機能バス―― 自動車業界に見る組み込みソフト開発効率化の取り組み(3)

    連載第3回目はこれまでに説明したアーキテクチャのソフトウェアがどうやって現実のECU構成やプロトコルで実現されるか,およびその核となる仮想機能バス(VFB:Virtual Function Bus)について説明します. ●仮想機能バスで複数ECUを制御する AUTOSARは,前回までに説明したようにソフトウェアを階層に分けたアーキテクチャを持ちます.そして,それぞれを標準化したインターフェースでつなぐことにより,その中のソフトウェアのポータビリティ(移植性)を向上させていました.実際にはECUが一つということはないので,ソフトウェアを階層に分けても車への実装は図1のようになります. [図1] 複数ECUへの実装(赤線はデータのやり取り) このままでは,機能をどのECUに割り当てるのかを開発者が考える必要があります.AUTOSARでは,複数ECUのソフトウェア開発に対して「仮想機能バス」とい

  • AUTOSARの階層アーキテクチャの詳細 ―― 自動車業界に見る組み込みソフト開発効率化の取り組み(2)

    連載1回目で説明したように,AUTOSARは階層化されたソフトウェア・アーキテクチャをとっています.具体的には,「アプリケーション層(AUTOSARソフトウェア)」,「ランタイム環境(RTE;Runtime Environment)」,「基ソフトウェア(BSW)」からなります(図1).これをもう少し詳しく示すと,図2のようになります.今回は,この中身をもう少し詳しく見ていきます. [図1] AUTOSARのアーキテクチャ [図2] AUTOSARのアーキテクチャ(詳細) (AUTOSAR Technical Overview V2.2.2 R3.1 Rev.001より引用) ●アプリケーションはECUを知る必要がない 図2の例では,特定のアプリケーションとしてセンサやアクチュエータのアプリケーションなどが接続されています.アプリケーション・コンポーネントは同じAUTOSARランタイム環境

  • AUTOSARの目的とアーキテクチャ ―― 自動車業界に見る組み込みソフト開発効率化の取り組み(1)

    コラムでは,組み込み業界で注目を集めているわりにはその詳細が知られていない車載ソフトウェアの標準化活動「AUTOSAR(オートザー)」について紹介します. 連載第1回の今回は,AUTOSARの背景や目的,そのアーキテクチャについて説明します. ●主要自動車メーカが参加するコンソーシアム AUTOSARは"The Automotive Open System Architecture"の略であり,自動車製造企業やサプライヤ企業(部品メーカ)を中心につくられたコンソーシアムです.これは2003年7月に設立され,その役割により,コア・パートナ,プレミアム・メンバ,アソシエート・メンバの3種類のメンバで構成されます.コンソーシアム発足当時のプレミアム・メンバはBMW社,Continental社,DaimlerChrysler社,Robert Bosch 社,Siemens VDO Automot