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ブックマーク / www.kumikomi.net (10)

  • AUTOSARの仮想機能バス―― 自動車業界に見る組み込みソフト開発効率化の取り組み(3)

    連載第3回目はこれまでに説明したアーキテクチャのソフトウェアがどうやって現実のECU構成やプロトコルで実現されるか,およびその核となる仮想機能バス(VFB:Virtual Function Bus)について説明します. ●仮想機能バスで複数ECUを制御する AUTOSARは,前回までに説明したようにソフトウェアを階層に分けたアーキテクチャを持ちます.そして,それぞれを標準化したインターフェースでつなぐことにより,その中のソフトウェアのポータビリティ(移植性)を向上させていました.実際にはECUが一つということはないので,ソフトウェアを階層に分けても車への実装は図1のようになります. [図1] 複数ECUへの実装(赤線はデータのやり取り) このままでは,機能をどのECUに割り当てるのかを開発者が考える必要があります.AUTOSARでは,複数ECUのソフトウェア開発に対して「仮想機能バス」とい

  • AUTOSARの階層アーキテクチャの詳細 ―― 自動車業界に見る組み込みソフト開発効率化の取り組み(2)

    連載1回目で説明したように,AUTOSARは階層化されたソフトウェア・アーキテクチャをとっています.具体的には,「アプリケーション層(AUTOSARソフトウェア)」,「ランタイム環境(RTE;Runtime Environment)」,「基ソフトウェア(BSW)」からなります(図1).これをもう少し詳しく示すと,図2のようになります.今回は,この中身をもう少し詳しく見ていきます. [図1] AUTOSARのアーキテクチャ [図2] AUTOSARのアーキテクチャ(詳細) (AUTOSAR Technical Overview V2.2.2 R3.1 Rev.001より引用) ●アプリケーションはECUを知る必要がない 図2の例では,特定のアプリケーションとしてセンサやアクチュエータのアプリケーションなどが接続されています.アプリケーション・コンポーネントは同じAUTOSARランタイム環境

  • AUTOSARの目的とアーキテクチャ ―― 自動車業界に見る組み込みソフト開発効率化の取り組み(1)

    コラムでは,組み込み業界で注目を集めているわりにはその詳細が知られていない車載ソフトウェアの標準化活動「AUTOSAR(オートザー)」について紹介します. 連載第1回の今回は,AUTOSARの背景や目的,そのアーキテクチャについて説明します. ●主要自動車メーカが参加するコンソーシアム AUTOSARは"The Automotive Open System Architecture"の略であり,自動車製造企業やサプライヤ企業(部品メーカ)を中心につくられたコンソーシアムです.これは2003年7月に設立され,その役割により,コア・パートナ,プレミアム・メンバ,アソシエート・メンバの3種類のメンバで構成されます.コンソーシアム発足当時のプレミアム・メンバはBMW社,Continental社,DaimlerChrysler社,Robert Bosch 社,Siemens VDO Automot

  • 組み込みC言語プログラマのためのmruby入門(中編) ―― mrubyをお手軽に体験する!

    組み込みC言語プログラマのためのmruby入門(中編) ―― mrubyをお手軽に体験する! 邑中 雅樹 mrubyeMbeddable Ruby)は,まつもと ゆきひろ氏が開発したプログラミング言語Rubyの処理系の一つであり,組み込み分野への適用をねらっている.まだ発展途上の部分もあるが,組み込みシステムへの適用やアプリケーションに組み込むソフトウェア部品の開発手法として,今後,急速に広まる可能性がある.連載では,主にC言語で開発している組み込みプログラマを対象に,Rubyおよびmrubyについて解説する.今回は,実際にWindows環境でmrubyを動作させながら,mrubyによるプログラミングを体験していただこう.(編集部) 技術解説・連載「組み込みC言語プログラマのためのmruby入門」 バック・ナンバ 前編 Rubyとmruby,何が違う? どう違う? 2.Windows

  • 組み込みC言語プログラマのためのmruby入門(前編) ―― Rubyとmruby,何が違う? どう違う?

    組み込みC言語プログラマのためのmruby入門(前編) ―― Rubyとmruby,何が違う? どう違う? 邑中 雅樹 Rubyは,まつもと ゆきひろ氏(通称Matz)が開発したプログラミング言語です.Rubyは2004年に発表されたWebアプリケーションのためのフレームワーク「Ruby On Rails」の爆発的ヒットによって,広く知られるようになりました.Rubyは,日で開発された言語としては初めてISO規格となり,最近では経済紙でもRubyへの言及を見かけるようになりました. Rubyは,「純粋オブジェクト指向」注1というパラダイムを取りつつも,プログラマのストレスを軽減することを第一として設計されています.そのため,ワン・ライナ(コマンド・ライン1行で済ませる作業)から,twitter.comのような大規模なWebアプリケーションまで,幅広い分野で活用されています. 注1:純粋オ

  • LSIマルチコア時代のソフトウェア開発の落とし穴とその対策 ―― 電力や性能が改善しない,まさにデスマーチのこの状態にどう対処するか

    LSIマルチコア時代のソフトウェア開発の落とし穴とその対策 ―― 電力や性能が改善しない,まさにデスマーチのこの状態にどう対処するか 山下 浩一郎 パソコンやサーバと同じように,組み込み機器においてもマルチコア技術が使われ始めている.しかし実際のところ,マルチコアを導入して,期待どおりの成果は上がっているのだろうか? 実はマルチコア・システムの場合,ソフトウェアを正攻法で開発してもうまくいかないケースが珍しくない.ここでは,組み込み機器向けマルチコア対応ソフトウェア開発の課題とその改善策について解説する.(Tech Village編集部) 携帯電話などの情報系組み込み機器において,マルチコア構成のプロセッサ・アーキテクチャが一般的に用いられるようになりました.マルチコアを導入した組み込み機器にはさまざまなものがありますが,ここでは汎用OSを組み込み,多くのアプリケーションが動作する携帯端末

  • 組み込み用途にはヘテロジニアスなマルチコアが向いている ―― 「ET アワード2011」受賞企業インタビュー(1) トプスシステムズ

    組み込み用途にはヘテロジニアスなマルチコアが向いている ―― 「ET アワード2011」受賞企業インタビュー(1) トプスシステムズ Tech Village編集部 組み込み技術の総合展示会であるEmbbedded Technlogy 2011は,技術的効果,将来性の示唆,経済的効果といった観点で,出展企業の中から5社を選出し,「ETアワード2011」として表彰した.ETアワード2011 ハードウェア分野の優秀賞はトプスシステムズが受賞した.トプスシステムズは,1999年に設立されたマイクロプロセッサ技術の研究開発会社である.主に,機器メーカの仕様に合わせたヘテロジニアス・マルチコア・プロセッサIPを提供している.ここでは,同社 代表取締役社長である松 祐教氏(写真1)に,今回の受賞対象となったエネルギー効率の高いマルチコア・プロセッサ「TOPSTREAM」について話をうかがった. 写真

  • ニュース | SynopsysとXilinx,SoCやASICのプロトタイピングにFPGAを利用する際の設計指南書を共同で刊行 2011.3.29_01

    [ keyword: FPGA, EDA, 開発手法 ] SynopsysとXilinx,SoCやASICのプロトタイピングにFPGAを利用する際の設計指南書を共同で刊行 米国Synopsys社と米国Xilinx社は,SoC(System on a Chip)やASIC(Application Specific Integrated Circuits)のプロトタイピングにFPGA(Field Programmable Gate Array)を利用する際の設計指南書「FPGA-Based Prototyping Methodology Manual(FPMM)」を共同で刊行した.開発対象となる大規模なディジタル回路を分割し,複数のFPGAにマッピングしてプロトタイプを構築する技術者,および設計マネージャ向けである.筆者はSynopsys社のDoug Amos氏,Rene Richter氏,X

  • LP DDR2やONFi 2.0など,メモリ・インターフェースの新規格が続々 ―― MemCon 2008

    LP DDR2やONFi 2.0など,メモリ・インターフェースの新規格が続々 ―― MemCon 2008 福田 昭 半導体メモリのコントローラ回路IPコアやシミュレーション・モデルなどの大手ベンダである米国Denali Software社は,半導体メモリの技術と製品などに関する講演会「MemCon(メムコン) 2008」を7月22日~24日に米国カリフォルニア州Santa ClaraのHyat Regency Santa Claraで開催した(写真1). [写真1] Hyat Regency Santa Claraの外観 ※写真をクリックすると拡大できます MemCon 2008では,半導体メモリの進化する方向が高速化,大容量化,低消費化,そして低コスト化であり,従来と変わらないことがうかがえた.また,半導体メモリの進化する方向に対応した,さまざまな入出力インターフェース規格が誕生してい

  • 初めてでも使えるVerilog HDL文法ガイド ―― 記述スタイル編

    ここでは,Verilog HDLの文法についておさらいする.Verilog HDL 2001では,それまで文法的にあいまいとされてきた部分などが修正されている.記述スタイルについてVerilog HDL 2001で改定された部分を説明する. (編集部) Verilog HDLは,1995年にIEEE 1364として標準化されましたが,その後さまざまな修正と拡張が行われ,2001年にIEEE 1364-2001として新しい標準になりました.既存の機能もそのまま使えるように,仕様追加の形で改訂されています. そこで,新たにHDL設計を始める方でもわかるように,Verilog HDL 2001の文法を「記述スタイル編」と「文法ガイド編」に分けて解説します.なお,記述スタイル編では,新旧両方のスタイルが可能な場合には併記せず,新スタイルのみを紹介しています.文法ガイド編では両方を併記しています.

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