インドは平地が多いため、1億6000万ヘクタールという世界第2位の広大な耕地面積を有している、というのをご存じだろうか。それは米国に次ぐ規模なのだが、潅漑農業ができる面積では1位である。 また、10億人を超える総人口のおよそ70%は農村地域に住み、その85%は農業を専業としている。インド経済における農業のウエートは高く、昨年はGDP(国内総生産)の22%に達した。 世界屈指の農業国ながら生産性は低い インドの農業・酪農は牛乳で世界1の生産量(2005年は9100万トン)を誇るほか、果物(同5800万トン)と野菜(同9900万トン)は2位。卵は6位(同4500万トン)、畜肉は7位(同500万トン)である。このほか、漁獲量は世界1位(同6300万トン)に達する。 ところが、である。これだけの生産量を誇りながら農産物の輸出は年間90億ドルで、世界全体の農産物貿易の1%に過ぎない。その原因は何十年
転機のODA 途上国の自立につながるか 政府の途上国援助(ODA)は昨年、転機を迎えた。援助の戦略を練る海外経済協力会議(首相と4閣僚)が新設され、実施機関は円借款を含めて国際協力機構(JICA)に一本化されることになった。外務省はその間に立って、援助の企画と立案にあたる。援助の態勢は整ったが、その理念と戦略はどうか。アフリカのウガンダとインドの例を足掛かりに、ODAのあるべき姿を探る。(論説委員・長岡昇) ネリカ米の種まきをするムインダさん一家=3日、ウガンダ東部のナムトゥンバ県ブバゴ村で、長岡写す ■ウガンダとインド──コメ作りで生活向上、鉄道建設で物流改革 アフリカの真珠――かつてウガンダを支配した英国はこの地をそう呼んだ。 赤道直下にあるのに、標高が1000メートルを超えるため涼しい。琵琶湖の100倍の広さのビクトリア湖が満々と水をたたえる。緑したたる国である。 それが独立後に混乱
諸外国をみると、先進国や人口の大きな国の多くは高い自給率を実現している。また西欧諸国には、戦後の農業政策により自給率の引き上げを実現した国が多い。それに対して日本は先進国でありかつ1億人以上の人口を有するにもかかわらず、穀物自給率は20%台と異例に低い。そこで以下では、世界各国との比較により日本の自給率の低さの要因を整理してみよう。なおここで用いる穀物自給率(重量ベース)は計算が容易であるため、途上国を含む世界各国の比較に用いられる指標である。 ◆人口と自給率に相関関係――異例な国、ニッポン 世界各国の穀物自給率と人口を対比してみると(図1)、人口の大きな国ほど自給率は高く、自給傾向が強い。とくに人口1億人以上の国は、日本を除きいずれも自給率が高い。一桁小さな人口1千万人以上の国の中でみても、日本の自給率は最低クラスにある。日本の輸入依存は異例のものであることがよくわかる。 ここでは詳細
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