70代の男性は「最初は段ボールベッドもなく、床にざこ寝。地べたに寝てると、立ちにくいから、動かなくなる」とつらそうだった。60代の女性は「トイレ? 足りないです。女子は和式しかない。89歳の母はトイレで倒れちゃって、たいへんだった。お年寄りに避難所は無理です」――。長野市の小学校を訪れると、多くの高齢避難者はこう訴えた。ここに限らず、台風19号の被災地では、似た光景が続出していたに違いない。床にざこ寝、プライバシーのない空間、足りないトイレ、場所によっては水や食料も乏しい。「避難所後進国・日本」はなぜ、一向に改善されないのか。日本の現状と問題点、外国との比較、改善の方策……。災害時の緊急課題を専門家に尋ねた。(取材:木野龍逸、本間誠也、Yahoo!ニュース 特集編集部) 10月12、13日の週末、台風19号の影響で東日本を中心に各地で大きな被害が出た。長野市の豊野地区では、千曲川の支流・浅