名古屋大学は、有機分子ベンゼンの6つの腕にそれぞれ別の置換基を繋ぐという、世界初の完全非対称6置換アリールベンゼンと合成・単離に成功した。 ベンゼン環C6H12は炭素が6つ輪になった構造の分子。水素原子の代わりにさまざまな分子を置き換える置換ベンゼンは、その組み合わせが膨大な種類となることで知られている。それぞれ多彩な性質を持つ物質になることから有機化学の基本とされ、置換された各種物質は現代の工業・医薬などあらゆる産業に利用されている。しかし、ベンゼン環のどこにどの分子を繋げるかという自在な反応の制御はできておらず、長年「多置換ベンゼン問題」として未解決のままだった。