まずは年金の話を少々… 先週の本コラムで年金改革法案のことを書いたら(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50313)、いろいろな意見があったようだ。あるTV番組に出たときにも話題となったが、そもそもコメンテーターが理解しないようだった。 年金問題を正しく理解するのはかなり困難だ。筆者はもともと数学科出身で、学生時代から年金数理をかじっていた。年金数理は数学科出身が得意とする専門職であり、一般の文系人にはなかなか理解できないようだ。 まず、公的年金を語るなら、現行制度がほぼ「賦課方式」であることを押さえておいたほうがいい。もちろん、今の制度は完全な賦課方式ではなく、修正賦課方式というべきであり、9割位は賦課方式であるが、残り1割位は積立方式と思ったらいい。「積立金運用100兆円」と聞けば巨額だと思うかもしれないが、それは年金財政全体からみれば、1割程度し