昨年『黄色い星の子供たち』を観に行った時に『サラの鍵』の予告編が流れたのですが、それから公開までが長かった…。というわけでやっと関西でも上映が始まった今作を観に行ってきました。客席は満席で立ち見までいて、初日とはいえ珍しい盛況ぶりでした。『黄色い星の子供たち』でメインに描かれていた1942年パリのユダヤ人一斉検挙(ヴェルディヴ事件)の朝に端を発する物語と、現代のパリでジャーナリストとして活躍するアメリカ人女性ジュリアの物語が交錯しつつ進んでいきます。今作を観た後にふと『灼熱の魂』のことを思い出したのは、人は歴史やルーツ…“過去”からは逃れられない、という点を描いているところが共通しているな、と感じたからだと思う。ただ、ふたつの作品の鑑賞後の印象はかなり異なるものでした。 『サラの鍵』では、冒頭から過去パートと現代パートが並行して語られていくのですが、その現在と過去の“温度差”が著しく、違和