奇蹟―中上健次選集〈7〉 (小学館文庫)posted with amazlet at 08.06.20中上 健次 小学館 売り上げランキング: 286020 Amazon.co.jp で詳細を見る 中上健次っていう作家は、私の中で「無茶苦茶好きなんだけれど、なかなか読めない作家」っていう位置づけであって、そういう感覚は「美味しいけど、強すぎるお酒」みたいな感覚に似ている。読もう(飲もう)と思う、しかし、独特の匂いが強すぎて「まあ、今日は良いかな」って思ってしまってなかなか手が出せない。でも、一旦、手を出してしまうとグ、グググとその魅力に引き込まれてしまって「ああ。これだよ。こういうのを読むため(飲むため)に、私は生きてるんじゃなかろか」って思ってしまう。最近読み終えた『奇蹟』もまったくそういう小説だった。 良い小説、というのは割りとたくさんある。最近の読んだ最近の作家では川上弘美は面白かっ