2022年01月23日22:40 カテゴリアフリカ・HIV/AIDS時局対応批評 コロナと医薬品アクセスをめぐる世界の動き ――「誰もが安全な世界」の実現に必要なものは? (注)本文章は、稲場雅紀が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するグローバルな取り組みの経緯(2021年12月まで)について総括的にまとめたものである。 一 「これはアパルトヘイトだ」――アフリカが大陸レベルで表明した怒り 「これはワクチン・アパルトヘイトだ」。二〇二一年九月、一年ぶりに対面とオンラインを織り交ぜて開催された国連総会の壇上で告発したのは、南部アフリカ・ナミビアのハーゲ・ガインゴブ大統領だった。世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルス感染症(以下「コロナ」)について「パンデミック宣言」を発出してから一年半、先進国では、少なくとも一度以上ワクチンを接種した人の割合は六割以上に到達したのに対し、低