著者の湯川氏は、時事通信社の編集委員で、広告・メディア関連の話題を積極的に発信されている方です。今の広告業界のキーワードの一つである「アドテクノロジー」と言う言葉を、私は湯川氏が数年前に主催したセミナーから知ったりしました。(その時のセミナーの内容がまとめられて「次世代広告テクノロジー」という題名で出版されています。) そういうこともあって、湯川氏の言動は普段から関心を持っているので、この本も期待を持って読み始めたのですが、読み終わった印象はというと... ちょっと微妙ですね。だいぶ違和感がありました。 「広告」について、ネット領域だけでなく、オフラインを含む全体的な領域で関わっている人にとっては、きっと私と似たような違和感を感じたのではないかと思うのです。 1.この本はどんな本? まずこの本は、筆者がアメリカなどの取材に基づき「広告の近未来」のあり方を筆者なりにまとめた本、と言うことがで