駄文27 量子ブラックホールを利用した平衡型質量-エネルギー変換器 もどる トップへ 拙著『海を見る人』に収録されている「独裁者の掟」という作品に「量子ブラックホール・ラムジェット・エンジン」なるものが登場する。これは星間物質を燃料とし、100%に近い効率でエネルギーに変換する夢のエンジンであるが、作中で語られているように、大きな欠点も持っている。 実はこのアイデアは宇宙作家クラブの大阪例会の最中に思い付いたものである。その後もこのアイデアに関して、大阪教育大学助教授・福江純さんや作家・林譲治さんとメールでのやり取りがあり、いろいろと卓越したアイデアが提案されたが、ここでは小林が提案した基本アイデアについて説明する。 なお、文中青字で記した数式部分に関しては、興味がなければ飛ばし読みしていただいても、特に問題はない。 さて、ブラックホールとはその表面重力があまりに強く、光すら脱出できないた