小さい子供に「ロケット描いてみて」、と頼めば、十中八九は先端は尖らせ、末端には後ろの方に傾斜が付いた羽を描くことでしょう。 これは「ノーズコーン」と呼ばれる先端部と、後退翼がついた安定翼というデザインが子供にも浸透していることを示します。 ミサイル兵器にこのデザインが見られるのは近代以降では、ドイツが第2次世界大戦で用いた史上初の弾道ミサイル、「V2」です。 ここで「近代以降では」と言ったのは、実はこのデザインが考案されたのは正確な年代はわかっていないのですが、少なくとも1200年台のウエールズではこのデザインによって兵器が作られていたのです。 それは、後退翼がついた安定翼をもつ矢を放つクロスボウで、「百年戦争」で飛び道具の主役として活躍しました。 鋼鉄製の矢を強大な張力の開放とともに打ち出すこの兵器は、当時の騎士が身につけていた甲冑を百数十メートルも向こうから貫くことができるように改良さ