世の中には、全てのパターンを網羅的に調べることができないほど複雑な事象がある。 その一部の要素に乱数を用いて網羅性の代替とすることを、人類は「シミュレーション」という科学っぽい名称で呼んだ。 しかし、乱数を用いるシミュレーション(モンテカルロ・シミュレーション)は、科学を途中過程に置いた信仰だと思う。 乱数を用いた時点で、結果がそれこそ神のみぞ知る厳密解に合致しているのか、多くの場合わからない。 そもそも、その合致を数式的に証明できるのであれば、シミュレーションなんか必要ないわけで。 それは、大規模シミュレーションとか呼ばれるものなんかで特にそうだろう。 大規模となれば、計算には莫大な時間と費用がかかる。 なので、乱数の使用数に比して、統計的信頼度を満たすほどの回数で試行するのは困難であろう。 そうなると、厳密解への合致はそのシミュレーションへの信頼感といった信仰によってしか期待できない。
![シミュレーションとは、乱数を呪文とした「神への祈り」である](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/b1638cdb5807a4788e4ba3c1109a984166e095fc/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fanond.hatelabo.jp%2Fimages%2Fog-image-1500.gif)