記録が出にくいとされる屋外プールでのレースだったことに加え、2着の選手と5秒以上離れるという、ライバル不在の中での記録樹立は異例だ。 そのタイムに対して、驚きと同時に「やっぱり」と、どこかそんな気持ちにも駆られた。 9月15日、高校3年生の山口観弘(あきひろ)は岐阜県で行なわれていた国体の平泳ぎ200mで2分7秒01で優勝。ロンドン五輪でジュルタ(ハンガリー)が出した2分7秒28の世界記録を塗り替えた。 たまたま出たタイムではない。 山口は8月17日の高校総体200mで、ロンドン五輪なら3位に相当する2分7秒84で優勝。海外遠征から帰国した直後の29日の大会では、疲労をものともせず2分7秒57と縮め、世界記録まで0秒29に迫っていた。その活躍に、「世界記録を狙わせたい」(上野広治競泳委員長)という意向を受け、地元の鹿児島県志布志に帰らず、東京で調整して臨んでの世界記録更新であった。 志布志
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