★★★★☆ フランス革命前後の貴族生活に興味がある人はもちろん、逆境にも負けない強い女性の人生に触れたい人にもオススメ 表紙の絵は本書の主人公であるルイーズ・ヴィジェ・ルブランの自画像である。この絵を見ての通り、ルイーズはパステル画家の父ルイ・ヴィジェから絵の才能を受け継いだだけでなく、結髪師の母ジャンヌ・メサンから美貌も受け継いだ。マリーアントワネットの宮廷画家であったルイーズはフランス革命の混乱を逃れるため、12年ほど娘とヨーロッパを彷徨うことになる。本書は行く先々で様々な困難にぶつかりながらも、持てる才能を活かして、「美しいもの」への情熱を絶やすことなく懸命に生き抜いた女性の人生に迫る一冊となっている。 ルイーズは1741年のパリに生まれたが、当時の子どもに対する見方、育て方は現代のそれとは大きく異なっている。子どもは貪欲で勝手気ままな欠陥を持った大人であり、子育ては召使いの仕事であ