3月24日告示の東京都知事選に現職の石原慎太郎知事の不出馬が固まったことで、石原知事4選を支援し、余勢を駆って菅政権を衆院解散に追い込もうとした自民党の戦略は事実上白紙に戻った。 党内では、知事の長男で調整を一手に引き受けてきた石原幹事長への批判が出ている。 谷垣総裁は3日の記者会見で、都知事選の候補者擁立作業について「都連会長でもある石原幹事長が調整をしていくということだ」と述べるにとどめた。谷垣氏ら党執行部は、石原知事への働きかけを石原幹事長に一任しており、説得工作は幹事長ら少数の都連幹部が進めてきた。2月下旬に不出馬の観測が出始めても、事情を把握していない谷垣氏らの間では「長男である石原幹事長を窮地に追い込むことはないだろう」との楽観論すら流れたほどだ。 石原幹事長起用の背景には知事の4選出馬に向けた環境整備の意味合いがあった上、幹事長自身が知事出馬の可能性を示唆していた時期もあるだ