説明の仕方が悪く、相手の怒りを買ってしまい、肝心の結論を伝える前に追い返された。そんな苦い経験はないだろうか――。ここで注目したいのが、優れたITエンジニアの「説明力」だ。企業システムの複雑な情報を、ITに疎い経営層、立場の違う利用部門、考え方が必ずしも一致しない開発メンバーなど、多様な相手に説明するのは容易でない。本連載では、ITエンジニアが現場で培った説明の極意を紹介する。説明は、全ての業務の基本。その極意は、IT担当者はもちろん、多くのビジネスパーソンに役立つはずだ。 「説明の途中で相手が怒り始めて、どうにもなりませんでした」――。2011年のある日、クオリカの細井篤さん(ソリューション事業部 リテールソリューション部 主幹)は、システムエンジニア(SE)である部下のMさんから、電話でこんな連絡を受けた。 その数日前のこと。細井さんらのチームが顧客企業A社向けに構築した業務システムで
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