運営型スマートフォンアプリという、変更が加え続けられるライブサービスを、ひとつの作品として評価することは非常に難しい。実際に僕はレビューをこれまで書こうとしたことがない。『ウマ娘 プリティーダービー』(以下、ウマ娘)に関しても、3年前からアニメをきっちりと追いかけ、アプリ版の配信も楽しみにしてきたが、もちろんこのような原稿を書くつもりは最初からなかった。 だが、そんな僕がスマートフォンの画面に食い入り、ウイニングラン中の騎手のように夜中に雄叫びを挙げながら右手を突き上げた。そして今、この原稿の執筆を進めている。 『ウマ娘』が配信されて1週間が経ち、インターネット上は有馬記念が開催中のごとく熱狂に包まれ続けている。たしかにこのゲームは、非常に出来がいいだけでなく、思わず何かを書きたくなるプレイヤーの心を強烈に動かす“何か”を秘めているのだ。 ここ数年にわたってスマホゲームのひな形には革新的な
![『ウマ娘』は物語だけでなく“ゲーム”として「かつて名馬たちが背負った夢」を呼び覚ます。誰もが持つ馬の物語がゲーム攻略の熱量と重なり生まれる、実在する馬の感覚](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/0a4dd021f641bddaf6b4c5d48a8256ce03a69fbf/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fimg-denfaminicogamer.com%2Fwp-content%2Fuploads%2F2021%2F03%2F04102703%2F4029af1e4253bb937dfe6f9df1fb16d9.jpg)