先日、このようなものを手に入れました。どうやら旧著作権法から現行著作権法へ改正されたとき(1970年)の資料のようで、ぺらぺらとめくりながら読んでいると、現時点でも気になる記述がいくつか見あたります。 ありていに言ってしまえば、この本のなかで、今の著作権保護期間問題におけるような著作者(著作権者)と利用者の対立と調整という議論は、すでに「第四章 著作権法全面改正の基本的課題 一 著作物をめぐる関係者の利害を調整するための基本的態度に関する問題」という項で触れられています。 育成高揚という観点からの著作権者の利益保護と、文化の活性化という観点からの利用者利益の保護、というのは私たちの聞き慣れた議論ですが、この本で注目すべきなのは、著作者の利益保護のためにdistributerである出版社・業者の利益保護が必要であることを認めながらも、distributerをまた「利用者」とおき、その中間利用