日中戦争勃発前年の1936年に日本の海運会社に船舶を貸し出した中国の会社経営者の親族が未払いの賃貸料を含む賠償を求めた訴訟に絡み、上海海事法院は19日、海運会社の流れをくむ商船三井が賠償に応じていないとして浙江省の港で同社が所有する船舶を差し押さえた。 上海市当局が20日、明らかにした。 戦後賠償をめぐる訴訟で日本企業の資産が差し押さえられるのは初めてとみられる。中国では現在、日中戦争中の強制連行被害者らが日本企業に損害賠償を求めて提訴する動きが相次いでおり、原告勝訴の場合、今回と同様に中国国内の資産が差し押さえられる可能性が出てきた。(共同)