スズキのインド子会社、マルチ・スズキ・インディアのマネサール工場(ハリヤナ州)で7月18日の夜、従業員による暴動が発生した。工場幹部1人が死亡、約90人が負傷し、工場の操業がストップするなど打撃が出ている。 1982年にインドへ進出し、同国の自動車市場の4割近いシェアを握るスズキを襲った従業員の暴動。中国に代表される労働争議や、進出国の政情不安定、昨年のタイの洪水に代表される異常天候など、企業経営における新興国リスクが噴出している。グローバル化を進める企業にとって、インドで発生した暴動問題は、新たな頭痛の種となりそうだ。 暴動では死者が出たほか、一部で火災が発生。工場の再開には事件の原因を解明したうえで対策を取ることをスズキは条件に掲げる。会見でマルチ・スズキの中西真三社長は「(再開まで)1カ月もかけるわけにはいかない」と語ったが、メドは立っていない。この影響から、マルチ・スズキの株価は暴