日本中を感動と興奮に包んだ2010年サッカー南アフリカワールドカップ(W杯)ベスト16進出の快進撃から10年。2018年ロシアW杯でも16強入りしているが、悲願のベスト8に最も近づいたのは、延長・PK戦まで粘った南ア大会のチームだと言っていい。「勝てば王者・スペインとの真剣勝負」という大きな夢に、彼らはあと一歩、手が届かなかった。 その責任を一身に背負い込んだのが、PK戦で唯一、失敗した駒野友一(FC今治)だ。号泣する背番号3の姿は多くの人々の脳裏に焼き付いているに違いない。10年という月日が経過した今、あのPKをどう捉え、その後のキャリアにどう生かしているのか。「戦犯」とバッシングを受けた当時のことについて、駒野が静かに語り出した。 「ブブゼラの音も聞こえた」蹴る前の心境――スコアレスのまま延長が終わり、PK戦になった瞬間は? 「気持ちの揺れはなかったですね。監督の岡田(武史=現FC今治
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