先日、捜し物をしていたら、東京に住んでいた頃に買った本が発掘されたので、パラパラめくっていたところ、あるページに少し引っ掛かってしまった。 太平洋戦争敗戦後、日本の教育の題材から消えて久しいものの一つに、「英雄」物語があります。各時代、各分野の英雄を選りすぐり、その生き方、考え方から学ぶということを、偶像崇拝、エリート教育などとみなし、積極的に否定してきました。 <中略> しかし、戦前は大いに違いました。英雄伝が、人物評論が、大人といわず子どもといわず、好んで読まれました。立川文庫の英雄豪傑たちに混じって、プルタルコスの『英雄伝』も少年達に読まれました。 <中略> 自分の「先生」(モデル)を歴史の中に見いだし、それに学ぶ。これほどの「教育」はありません。自分の先生が「親」であったり学校の「先生」でしかない少年は、心を広い世界に羽ばたかせることはできないのではないでしょうか。少しでも目立つや