「〔…〕偏微分方程式を駆使した金融工学に欧米の圧倒的大多数の人々が騙された。しかし、ゲーデルの不確定性定理〔原文のママ〕をちょっとかじっていれば、数学などというのは矛盾だらけの世界だということがわかる。あるいは宗教と言ってもいい。それに騙されない日本人の思想が重要なのだ」(佐藤優『日本国家の神髄――禁書『国体の本義』を読み解く』産経新聞出版/扶桑社=発売、2009年, p. 85.) 念のために書いておけば、これは佐藤優自身の発言ではなく、2008年10月末に佐藤氏があるイスラエル人と会話したときに、そのイスラエル人が語った言葉、ということになっている。 どういう文脈かというと、 佐藤「日本人はぼんやりしているので、金融派生商品のようなよくわけがわからないものには手を出さなかっただけだ」 イスラエル人「わからないことをわからないと認めることができるのが日本人の頭のよさなんだよ」 というもの