シシャモを食べに北海道へ行ってきたんですわ。 そう聞くと不思議に思われる方が多いかもしれない。日本全国、駅前の居酒屋チェーンに行けば「子持ちシシャモ」が食べられるではないか、と。 Yorimichi AIRDO読者の皆さん、はじめまして。平坂寛と申します。 “珍生物ハンター”として、世界中の珍しい魚をつかまえ、食べてきた私がなぜあえてシシャモに挑むのか。理由はほかでもない、「北海道に行かなきゃ味わえないシシャモ」がいるから。 ……じゃ、冒頭の言葉、ちょっと言い方を改めてみよう。 “本物のシシャモ”を食べてきたんですわ。シシャモの聖地「むかわ町」で。 何を『美味しんぼ』みたいなことを……と言うなかれ。 事実、「シシャモ」の名を冠して流通する魚には二つの魚種が含まれている。一つは正真正銘の「本シシャモ」、もう一つは「カラフトシシャモ」と呼ばれる魚だ。 「子持ちシシャモ」の名で全国に流通している