昆布に挟んでねかせる富山の珍味「牛肉の昆布締め」が提供できなくなる可能性が出てきており、販売業者が頭を抱えている。 焼き肉チェーン「焼肉酒家えびす」の集団食中毒事件を受け、10月1日から施行される生食用牛肉の罰則付き新基準で、「調理後、速やかに提供しなければならない」と定められているためだ。 牛の昆布締めは、生肉を昆布で挟み、数時間~一晩ほどねかせる。昆布のうま味が染みた肉は甘みが増してコクが出る。元々、魚の保存方法の一つとして昆布が手に入りやすかった富山で発達した伝統料理だ。 県生活衛生課によると、新基準にある「速やか」がどの程度の時間なのかが、明記されていない。同課は厚労省に問い合わせているが、昆布に挟んだ直後に提供しなければならないとされれば、ねかせる時間がないので、牛肉の昆布締めは提供できなくなる。 このため、同課では、回答が出るまで提供自粛を業者に要請しており、県内で今のところ、