(英エコノミスト誌 2011年12月3日号) 問題を抱えた欧州の銀行は資金が不足しつつある。 普通なら、1ペニーを貸し出す前に顧客を丹念に調べるのが銀行だ。だが、欧州では今、投資家や企業、預金者がお金を貸し出す前に、厳密な調査を受けるのが銀行だ。投資家のストに見舞われ、銀行は新規融資を中断し、可能なものをすべて売却したり、担保にしたりしている。 投資家のストがすぐに終わらなければ、欧州は信用収縮に陥る恐れがある。最悪の場合、銀行の取り付け騒ぎや破綻が起きるかもしれない。 銀行債券市場に見る静かな取り付け騒ぎ ある意味では、ゆっくりとした銀行取り付け騒ぎは、銀行債券の市場で既に起きている。この市場はもっと満ち足りた時期なら、長期の安定した資金を供給し、金融当局者が夜ぐっすりと眠れる状況を生み出す。 7月以降、欧州の銀行にとっては、こうした銀行債市場がほぼ完全に凍結されてしまった。 債券の発行