この春から、新聞業界が半世紀ぶりの紙面改革に乗り出す。 「高齢化する新聞読者でも十分読んでもらえるよう、活字を20パーセント拡大するんです。その文字を収容するスペースづくりのため各段の間隔を広げることになり、1ページを従来の15段組み(読売新聞は14段組み)から12段組みに変えるという、戦後初の試みに着手するんです」(新聞社社員) たとえば、2月15日の読売新聞の社告を見ると、現在の文字より横に7%、縦に16%拡大するという。これにより、新聞文字は正方形に近づき、文字の線も太くなるそうだ。社告に登場した俳優・橋爪功が「大きい活字を読むと、字が目に飛び込んでくる」とさわやかにコメントしているのが印象的だ。 しかし、喜んでばかりはいられない深刻な事情がある。あるブロック紙の幹部は「この変更は、輪転機をはじめ、印刷システムへの多額の投資を伴います。この結果、資金力のある大手紙主導による業界再編す