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1990年代から今日まで、世界は不幸なことだが「テロの時代」にあるといえるだろう。日本でのオウム真理教による地下鉄サリン事件、アルカイダによる9・11テロなど世界各地で頻発するテロによって私たちの生活は大きな影響を被ってきた。だが私たちはテロのもたらす衝撃的な事件性に惑わされてしまい、テロやテロリストたちについてその真相を客観的に検証してきたとはいえない。 本書は、「人はなぜテロリストになるのか」というテロリズムの核心を、統計的データの裏づけを基に鮮明に描き出すことに成功している。経済的な貧しさと教育を改善していけば、テロリストが育つのを防ぐことができる、ということがよく聞かれる通説だったという。例えば、ブッシュ政権によるアフガニスタンやイラクへの「テロとの戦争」は、そのようなイデオロギーを基にして実行された。 しかし、本書では、テロリストたちの教育水準が非常に高く、また出身も裕福な階層で
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