日本最古の安産、求子(ぐし)(子授け)祈願の寺として知られる奈良市今市町の帯解寺(おびとけでら)の参拝者が増えている。NHK大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」の主人公、江(ごう)が出産祈願をした寺として紹介され人気を呼び、子授け祈願に例年の倍以上の参拝者が訪れている。昨年の大河ドラマによる全国的な“龍馬ブーム”には無縁だった奈良だが、今年はブームを先取りした格好だ。 帯解寺は1150年ほど前の平安時代、子宝に恵まれなかった文徳天皇のきさき、染殿(そめどの)皇后が祈願したところ男子を出産、腹に巻いていた帯を無事に解くことができた、という故事が由来。本尊の地蔵菩薩像(鎌倉時代、重要文化財)は「腹帯地蔵」ともいわれる。 江も徳川幕府の2代将軍、秀忠の正室となったものの世継ぎに恵まれず、悩んだ末に同寺を訪れ、男子出産を祈願。まもなく5人目の子供として、後の3代将軍、家光を授かったという。 このエピソ