この春、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が四面楚歌(そか)の状態となっている。文大統領の味方はどこにもいない。ほぼ門前払いの状況だ。PM2.5をはじめとする粒子状物質が猛威を振るった先週、文大統領は「中国と協力案を用意せよ」と指示した。ところが、中国外務省報道局長は「科学的根拠を示せ」とコメントした。文大統領は「韓中両国が協力できるようにせよ」という公式に発言をしたが、中国の習近平国家主席がこれに反応を示すどころか、一介の外務省報道局長がしかり飛ばし、突き放したのだ。韓国大統領が「共助」を口にしたのに、中国外務省報道局長が「根拠を出せ」と言ったのだ。韓国の一般国民ですらきまり悪く苦々しいのに、韓国大統領府にしてみれば言わずもがなだ。 ベトナム・ハノイで行われた米朝首脳会談が決裂した翌日、文大統領は「金剛山観光と開城工業団地事業再開案も米国と協議する」と言った。ところがその数日前、米国務省当局